髪の匂い/吉岡ペペロ
 
こいつの人生ぜんぶを

過去もいまも未来も

ぜんぶそばにいなければならないと思った


となりで女が泣いていた

手をあたためてやりたかった

肩をあたためてやりたかった

女の髪の匂いがした


こいつの人生ぜんぶを

過去もいまも未来も

ぜんぶそばにいなければならないと思った







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