窓から見える明日/梅昆布茶
買い物袋を下げて
君が坂道を登ってくるのが見えたら
僕は窓をあけて
そろそろ君のこころを狙撃する準備をはじめるのだ
値引のシールのついたおかずばっかりでごめんね
君はそういって笑った目じりがやっぱり今でも好きだ
子供の頃の写真に写ってた君も
目じりだけは
同じだった
人間の細胞は約7年ですべて入れ替わるというが今の君は
いったい
何回めのコピー
なんだろうか
君がだんだんとうすくなって消えてしまわないように
僕は
どのコピー機の濃度を調整すれば
よいのだろう
君がいて空が青いだけで
なんとなく泣きたくなってしまう
子供の手をひく
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