音のない洞窟/
吉岡ペペロ
た
ヨシミが火傷をしたことを思い出した
東南アジアの音楽がまた強く流れだしていた
部屋のブザーを鳴らす音が響くとシンゴは部屋の明かりにはっとなった
イガタです、カワバタさん、イガタです、
シンゴは邪魔をされた苛立ちで顔を振りいま死ななかったことを不思議に見つめた
こころの光、
そうつぶやいてブザーの降りしきる部屋のなかで声を上げて泣いた
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