闇へのコラージュ/草野春心
 


  (くらげ)
  湖を深みから引き裂く、かなしむことの発光。



  (ねむり)
  音へと落下する胡桃へ
  と落下する井戸へと落
  下する空へと落下する
  あなたへと落下する色
  彩へと落下する眠り。



  (からだ)
  いつかの夏、
  アスファルトで、
  わたしが三個めの瞳をひらくと、
  見なれぬ臓器の胎動によって包囲されている。



  (おんな)
  乳房の大きな女
  「いくつもの視線の
   たえまない反射だけが、
   われわれの魂の演じる舞台である」
  という科白ひとつを残して
  喪われた





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