Nightly Cares/本木はじめ
 

心配はいらないよ
僕はどこにもいかないから
睡眠薬みたいに
こんやも闇に隠れるがいい
どっちを選んでも脆弱な人生がもたれるだけ
開かれた扉なら安易に入ってしまうくらい
ぼくら愚かな季節の死骸
囲まれる前に逃げ出そうとすれば
するほど ほら
こんなにも無様な笑顔
おんなじ道を行ったり来たり
草の原にはぼくの理想が散らかっている きみの手足のように
追い駆けて、追いつく
追い駆けられて、追いつけない
選択肢を忘れた帰宅途中の踏み潰された朝みたいに
巨大な罠
心配はいらないよ
僕はどこにもいないから
覚醒剤みたいに
こんやも闇に抱かれるがいい


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