ヤドリギのひと/恋月 ぴの
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ときには実の母でさえ鬱陶しくて
どらえもんのポケット
ひとの本音かも知れない
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わたしの思いを知ってか知らずか
いっこうに責任を取ろうとしないあなた
どこまでが本当なのか
どこからが嘘なのか
悔しさに達するでもなく萎えたペニスをきつく掴む
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その空き地の近くには親水公園がある
釣りもできるようになっていて
近くのお年寄りだろうか日がな釣糸を垂れている
白鳥の脚に仕掛けが絡まないだろうかとか
そんな心配など飲み込むかのように黒い雲湧き立ち
パラパラと大粒の雨降りだした
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