灰/橘あまね
 
僕の孤独な情念の炎が
語るべきことばの切れ端たちを
のこらず灼いてしまうので
僕の口からこぼれだすのは
いつも色違いの灰ばかり。
灰ばかりです。

両手の手のひらいっぱいに
灰を差し出してみたところで、
誰もわかってくれないのです。
わかってはくれないのです。

僕の口からこぼれだすのは
いつも色違いの灰ばかり。
何が焦がされ赤色になったか
何が焼かれて青色になったか
僕には思い出せないのです
そしてみんなには
色の見わけすらできないのです。

色の違うのに気付いてくれるのは
君だけなので
君のために
色とりどりの灰を感傷の水で固め
団子にしてならべ
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