寄り縋る片蔭(八)/
信天翁
人工湖に仕立てられた
用水池から漏れだしている
名前だけは一人前の川がある
堤防にそよぎはあるものの
せせらぎはない
はぜのかげもない
それでも むかしのおらのように
橋上から釣り糸を垂らしている
少年ふたり
沢蟹と電話こっこしているつもりなのか
それとも
ノスタルジーをインブットしてるつもりなのか
いやいや根気をつけているのかも・・・・・
戻る
編
削
Point
(2)