来歴/yamadahifumi
 
分からないだろうがーーーそこには様々な無限の自然があり、十一次元の球体がごろごろ転がっている空間(もはや空間とも呼べないが)もあった。そこでは球体が一つ転がるに連れて人間の魂が千個破裂するよりもずっと大きな音を立てて、運命の板を「世界」が転がり落ちていくのだった。
そうした場所を走り終えて、俺には一つ実感が宿りつつあった。世界には「ここ」以上の場所はない。それで俺は神に頼んで奴と分かれてもらいーーー奴は最後に投げキッスをよこしてくれたーー気持ち悪いーーー航行を停止し、「今ここ」に降りたった。
そこで俺は生まれたのだ。赤ん坊として。

それが俺の来歴だ。
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