六十六年まえの今日/吉岡ペペロ
 
六十六年まえの今日

セミが朝からの暑気を鳴いていた

あのひかりや

爆風や

炎熱の地獄のなかに

どうしておれはいないのだ


六十六年まえの今日

いまのおれのように汚れた人間は

あのひかりや

爆風や

炎熱の地獄のなかに

いなかったのにちがいない


六十六年まえの今日

セミが朝からの暑気を鳴いていた

あのひかりや

爆風や

炎熱の地獄のなかに

どうしておれはいないのだ







戻る   Point(3)