公園の天使/梅昆布茶
空から舞い降りたまま
天使は居眠りをしてしまった
公園の片隅のベンチで
遠い街のざわめきを子守唄にききながら
自分が誰の子供なのか夢のなかで
思い出そうとしていた
噴水のある公園は
なつかしい匂いがした
いつか人間に混じって生きたい
天使の仕事に疲れていた
時々は愛の手助けをしたり
絵のモデルになったり
コマーシャルもこなした
天使は時の流れをしらない
ただ永遠がすり減ってゆくのを
眺めてるだけ
人間のように刹那に生きて
鳳仙花のようにはじけてもみたかった
ふわふわした自分があまり好きになれなくて
いつかひとかどの人生論を語ってみたかったのだ
だから天使は今日も大好きな公園のベンチで
居眠りをしているのだ
戻る 編 削 Point(1)