公園の天使/梅昆布茶
 
空から舞い降りたまま
天使は居眠りをしてしまった

公園の片隅のベンチで
遠い街のざわめきを子守唄にききながら

自分が誰の子供なのか夢のなかで
思い出そうとしていた

噴水のある公園は
なつかしい匂いがした

いつか人間に混じって生きたい

天使の仕事に疲れていた

時々は愛の手助けをしたり
絵のモデルになったり
コマーシャルもこなした

天使は時の流れをしらない

ただ永遠がすり減ってゆくのを
眺めてるだけ

人間のように刹那に生きて
鳳仙花のようにはじけてもみたかった

ふわふわした自分があまり好きになれなくて
いつかひとかどの人生論を語ってみたかったのだ

だから天使は今日も大好きな公園のベンチで
居眠りをしているのだ
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