いない かたち ?/木立 悟
降る傷
金の跡
午後の塵
地に空を作れずに
空の径やはじまりや
辿れないものを辿るとき
警告は来て
河口に置かれる
光の原をゆくものの
隣の闇を歩むとき
何も無さ 何も無さ
何も無さのうたを聴く
空をゆうるりとねじる空
無音と無音の満ち干から
月のまばゆさだけが訪れ
光にまみれた呼吸をする
魔は離れ
近づく
曇への畏れ
またたく午後
息がひとつ
またひとつ浮く
空うつす 空わける
そこに居ない手
ゆうるりとゆうるりと
月の思い出が月を呑み
命になる前の命がそれを見ている
それを 見
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