黒い鏡/吉岡ペペロ
 
電車がトンネルに入ると

車窓が黒い鏡になってしまった

深海の底をたどるように

てのひらをあたためる

ぼくは世界を見つめている

こころの闇なんか信じていない


ぼくはこころのひかりを信じています

あなたの歌う母の歌が

ひとりごとのように聞こえています


電車がトンネルに入ると

車窓が黒い鏡になってしまった

深海の底をたどるように

てのひらをあたためる

ぼくは世界を見つめている

こころの闇なんか信じていない





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