かみさまのいちびょう/凪名木なぎな
みのおくでばったりと
であったあのこを
いちばんおおきなもみのきの
ねもとまでつれてって
つかまえたから、といって
つないで
ほんとのおにをさがしにいくうち
じぶんのかげがのびていた
まえへまえへと
かげがじぶんよりおおきくなって
まえへまえへと
どうしようもなくおおきくなって
ひとりぼっちにしてきた
あのこのことをおもいだす
*
あのこはきっとないてる
*
おおきなかげをひっぱりながら
こんどはゆうひをおいかけて
しらないみちで
はかせがおもいついたみたいに
でんとう
[次のページ]
戻る 編 削 Point(7)