かみさまのいちびょう/凪名木なぎな
 
みのおくでばったりと
であったあのこを
いちばんおおきなもみのきの
ねもとまでつれてって
つかまえたから、といって
つないで


ほんとのおにをさがしにいくうち
じぶんのかげがのびていた
まえへまえへと
かげがじぶんよりおおきくなって
まえへまえへと
どうしようもなくおおきくなって
ひとりぼっちにしてきた
あのこのことをおもいだす











あのこはきっとないてる











おおきなかげをひっぱりながら
こんどはゆうひをおいかけて
しらないみちで
はかせがおもいついたみたいに
でんとう
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