箱のなかのひと/
恋月 ぴの
ロ戦の遥か上空
ここまでおいでと翼で煽り
悪者なら何万人死んだとしてもそれが正義だった
※
ダンボール箱に開けた小窓から
君は反っ歯な顔を出す
あれはいつの頃だったか
カラオケなんて便利なものはなかったけど
未来ってことばに人々は夢を託し
※
「臨時ニュースを申し上げます」
おしゃもじ片手に君は真顔でニュースを読み上げ
慌てて空を見上げれば
あれはUFO?
銀色の機体から放たれた爆弾がモノクロームの空に鳴く
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