扇動者/ホロウ・シカエルボク
 



誰かの不正を突っつけば
てめえの理性が名を上げる
そんな寝言を信じる馬鹿が
今日も角立つ声を出す
断罪はあらかた
裁く側の罪を
どれだげ棚上げ出来るかという、いわば
恥知らずの度合いに過ぎない
習ったことを
そのまま信じられる
幸せな連中が
襟を正して
対岸に立っている
老若男女、くり抜いたような
同じ目をして立っている
ハロー
見知らぬようで見知ってるような君よ
君の純粋に
君自身は含まれていない
断定出来る事象は
その程度のことなのだと認識しておけ
本来真実は
絶対にひとつところに留まったりしな
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