◆時々くじらと寝ています/千波 一也
 


やんわりと拒否されるのが心地よく
時々くじらと寝ています



穏やかな茶封筒みたいになりたくて
月夜にこもるふくろうの森



浴びるならクラゲの嘘が良いでしょう
色とりどりの傘・からまわり



しろくまのふるさとは、そうシャーベット
スプーンで削って、じわじわ削って



秘密からもっとも遠いサンゴ礁
素手でふれたら凍えてゆきます



ポケットをこよなく愛する白象は
鼻だけ出して握手をたしなむ



こうもりが優しく首を噛んだから
もう帰れない、世迷い言には



心地よく裏切りなさい 白昼夢
水面のさかながわたしを呼ぶまで









[グループ]
戻る   Point(1)