ひだまり/千波 一也
 
 ひだまわりは優しくない

 せめてもの悪知恵で
 せめてもの手つなぎで
 弱々しくも罪深い人間たちが
 優しいもの、と誤魔化したに過ぎないこと

 だから
 誰もが無言になりがちで
 誰もがどこか遠くを見てる
 ひとりぼっちで、ひだまりで


襟元には
いつか忘れてしまった息継ぎが眠っていて
わたしはずっと、ずっと、
それを上手に聞き流す

そうでもしないと
捕まえられてしまうから
むごいようでも、慈悲深い、
真夏の瞳に
黒点に



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