白い夏/
吉岡ペペロ
女と高台までのぼった
簡素な公園がそこにはあった
商店街で買ったトッポッキと貝を食べた
ソウルの町を一望しながら舌をからめた
白い夏だなと思った
白内障ってこんな感じだろうか
町並みはもやに輪郭だけを見せていた
女の口のなかは自由だった
まだ午前中だというのに大蒜の味がした
年がら年中この味をさせているのだろう
そのことだけが欲情させた
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