愛憎/純情気質
 


いつの間にか、


僕はちいさくふるえるひとになって
どこにもいきたくないの、と
だだをこねるちいさなひとになって
かおをくしゃくしゃにして泣いてしまうのでした


あのひとにここにいてほしい


藍色の空を直視できずに地下鉄の降り口に吸い込まれていきます、
僕はすこしずつ、
あきらめていくのです
なぜならあのひとはここにいないし
僕もまたあのひとのことだけを考えていられるはずはないのです


なのに夜、


ひとり光る画面の前にひざをかかえると
僕はやっぱりちいさなふるえるひとになって
あしたを強くきらう、
それは
ただぼくがまだちいさくておさないそれだけのりゆうなのだと言ってください



そして僕はやさしくあのひとを憎む


またそれは、
悲しみに反比例するようにおだやかに







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