カレンダーの鞭(五)/信天翁
 
電柱の蛍光灯は黄なく 痙攣している
物売りの笛が 硬直するなかで

アベニューの水銀灯は白く 動揺している
いとおしい片蔭が 逍遥するなかで

あてにならない「骨」の呻きごえ
  あてにしたい「肉」の歌ごえ
    あてになった「血」の呼びごえ

でも 夜の深まりにつれて
  カルマは消えはじめていた
(まさに 忘却こそ 救いなのだろうか)
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