Sugar!!/木屋 亞万
 
た速度で
流れていることに気づく

足をつくたび膝が響く
それにあわせて腰もわななく
身体の重みが関節にぶつかり
私のしなやかな部分が
跳ねるのを感じる
力が一番加わるときに
身体はグッと前へ出る

風が頬に当たる
自分から空気へぶつかっていく
立ち止まっている空気を切って
どんどん進んでいく
何かを考えているようで
何も考えていない

身体の渇きと痛みと熱が
心地よさを挟みながら湧いてくるのを
ただひたすらに感じるだけ
思考は影を潜めて
感覚と感情が全身に満ちていく
走りながら
唯一あたまにあったのは
私が君を好きである
そのことだけだった

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