十月/遙洋
 



おしつぶされて割れたはしばみの実が散乱している野のはてに

まだ泣かない人が立っている


私たちは割れた実を喰うでもなく拾うでもなく
この実の硬さをしりたいと
辺りをみまわし、はしばみの木を
さがすのだった




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