朝まで/はるな
 

ため息がちぎれる夜に正座して冷蔵庫からの明かりで本読む

息つぎの仕方をうまく覚えられぬうちに夜はどんどん深まり

静謐をやぶる術をしりたくて肌を押したり引いたりしてみる

ざらざらの床はよそよそしく冷えて遠のく群集みたいでつらい

天井のしみをかぞえるいつ見てもしみなんて一つもないけど

窓開けてかたまる夜を追い出してそれでも明日に来てほしくない

抱く腕の重みの正しさ一瞬でわたしの胸の卵を割るような

来るときはドアはきちんと閉めて来て去るなら鍵はかけないで行って

だってこんなに暗くってわからないあなたじゃなくてもたぶん重なる

線をひく 朝、息、数字、温度、色 その様々が線をひき今日


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