瀬戸物/ああああ
 
伸べた。これは素朴な親切心からなされた行為のように私には思えた。ツタはそのテにつかまった。ツタにはほかに頼るものがなかった。エダは、ツタのふるまいにたいそう驚いた。ツタのように他者に四六時中徹底して密着しようとする生き方があることをエダは知らなかったのだ。エダはツタのせいで満足に日光に当たれない。それでも、エダはツタの細さや青さを好ましく思ったし、ツタを受け止める自分を誇らしく感じた。

ツタの成長は早かった。そのため次第に、エダには好きだったツタの全身を眺めることができなくなっていった。もちろん、傍からみればツタの中心には常にエダがあるのだが、エダはそのことに気づいているのだろうか。ある日、

と書かれたラーメンのどんぶり。
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