あおいそら/寒雪
 
きれいなあおいそらね


きみがそう漏らして
仰向けになったまま
ぼくにさよならした日から
どれくらいの凍えた昼と
背中合わせの温い夜を
ぼくはいったい通り抜けてきたのだろう
ベッドの上で湿気ている
せんべい布団に包まっている時も
安いモーテルの天井から
ぶらさがって回り続ける扇風機を
ただ言葉もなく見つめている時も
ぼくはきみの
血まみれですくい上げたら
すべてを紅く染めてしまう
心の意味を探し求めている


ぼくたちがまだ
無様に互いの体を寄り添わせようと
狭い部屋の真ん中でひしめき合って
漂う爛れた皮膚の臭いを集め合って
見えるはずもない気持ち
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