遙かな月に愛しさの衣を/洞野いちる
 
闇を彩る星たちは
静謐(しず)かな炎を纏い
熱き魂の唄を奏でる

遙かな月に手を伸ばす
掴めぬ あなた
信念(まこと)抱き 何処(いずこ)へ

涙は光の絲(いと)となり
切なさと恋しさこきまぜれば
夜空に愛しさの刺繍する

遙かな月に手を伸ばす
届かぬ あなた
契りの言葉 何処(いずこ)へ

歪む時代(とき)の器に抱かれるあなたに子守唄を
愛しさの衣 そっとあなたにかけ
やわらかに口ずさみましょう

有明の月に手を伸ばす
遠くても あなた
慕う気持ちは 変わらない

永久に……


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