なみだの虹/yo-yo
 
100歳の詩人のまつ毛には、虹が架かるらしい。
「涙が出さえすれば、虹になってるんです」という。
ふしぎがりの詩人 まど・みちおの映像をテレビでみた。
「自分のここ(まつ毛)に涙、小さい虹が出てるな、って思うことはできますんで、思うと本当にできてるようで、涙っちゅうのはどんな人でもそうでしょうけど、とっても涙を出した本人に身近なもので、本人が頼りにしているもので、最後の一滴みたいなもんですからね。涙が持ってる虹っていうのは素晴らしいですよ」。
涙に、虹がかかる。想像したら、目がしらが熱くなる。

100歳の詩人は、病院生活を続けている。
夜の病室の机に向かい、クレパスの色を塗り分けて
[次のページ]
戻る   Point(6)