辞職の8月/番田
ベランダで裸になったまま
何もすることのない私は なんとなく今日はいい気分だった
このまま死んでもいいと思った
そうして いつまでも 私は流れる風に吹かれているようだった
ぼんやりと流れる 時の流れの中で
深い眠気をかかえた 私は すでに無職の身だった
炎天下にゆらぐ街は 夏の強い日差しに溢れ
主張を抱えた20代そこそこの自分とすれ違った気がした
私は今日も なんとなく 近所にあるハローワークを出入りしている
コーヒーを買う金も持たずに ぼんやりと だけど はっきりと
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