光、なびけよう/しゅう
きみの荒れた手に
光を握らせてあげたい
今まで僕が見てきたことすべて
光、二つ
手を伸ばしても
空に届かないのは百年前から同じ
でもひとひらの光
風になびけよう
きみの背が青に届くまで
傍にいて上げられたら
踏み外しそうな梯子の世界で
君だけの王冠を
目を閉じた世界でも
破裂する音は聞こえる
いつかきみも幼さをなくしていく
繋いだ掌
きしんだ感触
僕を離れて空へ向かう
きみの荒れた手に、王冠をなびけよう
いま僕の光二つ
見守る風になびけよう
戻る 編 削 Point(1)