ぽたぽた/nm6
トラックが音像を抜けていく
窓の外の道路はもう薄く白色で
ゴゴと過ぎていくやわらかな午後に
雨のあとに、やってきて
「やさしいよ、やさしいよ」と
トタン屋根の膝枕で眠る
記憶が脱ぎ捨てられた部屋の
積み重なった本と紙類の
とり散らかった予定の
スリーピー、過剰
もう一台音像を抜けていく
ゴゴと過ぎていくやわらかな午後に
こどもの政治が荒川区をかきまぜて
都電沿いのバラがつゆに濡れる
ヘルメットの老衰が湿気を振り切って
都電沿いの柵が錆びついて笑う
畳の部屋で耳を澄まし
窓の外の道路はもう薄く白色で
スリーピー、過剰
かぶさる午後の
いつかの
雨のあとにぽたぽたはやってきて
「やさしいよ、やさしいよ」と
トタン屋根の膝枕で眠る
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