祖母/
草野春心
あなたは泣かないだろう
あなたはいつまでも話し続け
屈託なく笑い続ける
ふいに僕は
周囲のすべてが
溌剌とした朝の光が
庭の草木が
白い壁が
僕の体へ押し寄せてくるのを感じる
それは波だ
僕は打ちのめされる
僕は粉々に破砕される
僕は押し流され
どこかわけのわからないところで
いつか僕は覚醒する
あなたが死ぬとき
僕は声をあげて泣くだろう
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