祖母/草野春心
 


  祖母の家で
  祖母と話す
  昔ながらの広い居間
  たっぷりの朝日が射しこんでいる



  通っている盆栽教室のことを
  嬉々として話す
  新しく入った若い女の人
  もう来なくなってしまった人のこと
  次は自分の番だと
  けらけらと笑いながら話す



  祖母の手は皺くちゃで
  ところどころに染みもある
  それは紛れもなく
  僕の母を育てた女の手だ
  七十八年
  ちょっとした歳月
  あなたが泣いているところを僕は見たことがない
  九年前祖父が死んだときも泣かなかった
  自分の娘が先に死んだとしても
  
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