ヨードチンキと水筒/藤鈴呼
檻が有るから 開放感を得られる
生身だから 傷を感じられる
あたかも 当たり前のように
してやったりの 訳知り顔で 呟くけれど
実際に 川を渡った記憶が 有るかい
足の裏は 固いから
ちょっとや そっとの痛みは 感じ難いと
君は 豪語 するけれど
感じない 訳じゃあ ないんだ
小魚を 捕まえる 為に
彼等も 生きて いるんだけど
僕等が 生きて 行く為だとか
至極 尤もな 理由付けをして
正当性の 旗を 掲げて
歩いて 行くんだ
タイヤでは 慣らせない
アスファルトとは 隔絶された 小川を
チロチロと眺める セセラギに
チロチロと 舌を 出しなが
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