火/長押 新
肉が跳び回る
光をたよりに跳び回る
森の一味の会話が聞こえている
大きく揺られた木々が
声を幾億にもわけていく
光がみえている
こんなに眩しいと片目で十分だろうと
半分沈みかけた私の上に降る雨
いいや雨ではない火の粉
あんなに静まり返っっていた森が
生きている
森が生きている
森が生きている
森が生きている
赤々とした炎が浮かび上がる
その陰にひそんでいる
natthi r gasamo aggi
natthi r gasamo aggi
natthi r gasamo aggi
流れ木のための鳥が死ぬ
燃えている火を揉み消そうと
腕を焼かれていった
そこにいたはずのものたち
どこへいってしまうというのか
ただ土になっていく
生きているのにひどく静寂な
ただ土は土になっていく
火と森をわけることが
そこにいた誰にもできずに
夜だというのに燃えている
私は流木だった
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