ムーンメロディー/藤鈴呼
太陽も月も
野に咲く花のような存在
周りが闇で 妖艶な印象だから
月の花は 例えるなら 百合なのでしょう
誰もが憧れる 光に満ちた太陽の花は
やはり 向日葵
ひまわりは 太陽に向かって 背を伸ばすけど
皆から 憧れを抱く 存在でも有って
だけど 皆から離れて 一人 背を伸ばす事実を
思い出す度に 胸が 締め付けられるのです
夜になると か細き謡声が響き
人は 其れを ムーンメロディーと 称えます
夏の暑さを 少しだけ吸収したかのような
梅雨時期に
カーテンを 明けっ放しにしていると
静かな調べを 届けるかのように
風が 空気を 揺らすのです
まるで 私に気付いて と 泣くかのように
室内の方が とても明るいので
人の心は 光 満ちる方角へ 向かいがちですが
本当に ひっそりとした 闇の中に
大切な瞳が 灯っていることだけは
いつまでも 忘れたく ないな
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