The eternity is on the stove./長押 新
 

言葉の中を泳いでいた。
やがて小さな言葉に行くほかなくなった。
そこに潜り込まねばならず、感覚でしかないが引き寄せられたのち、言葉は残らず去ってしまった。
目を覚ますと、それでまた言葉の海が、ここに出来ている(彼はおはようの代わりにいつもこう、話しかけてくる)。


私と彼は古い本の中で、探し物をしていました。どのみち他にはしたいこともなく、いつもいつの間にかどっぷりと日が暮れるのです。湿っぽい埃が、寒さで鴇色になった頬をロマンチックに美しく見せました。その埃の様はまるで、ちらちらとして私たちかのようです。
そこでは、昔ながらのものが、湧き出るような、とにかく愛に誘ってくれるよう
[次のページ]
戻る   Point(1)