かいぶつ/
草野春心
今朝、
僕が目覚めたところは
朝靄に包まれていた
どこだろう
鳥の声ははるか向こう
身じろぎもせず
大きなかいぶつが立っていた
僕の体を
まるごと跨ぐようにして
かいぶつは
ただ遠くを見ていた
その視線だけが
ひとすじの光になって
朝靄を裂いていった
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