telephone/純情気質
 



小さな賭けをしてみようかと 待ち構えている。

賭け は
待つ身であっても幾分か能動的なのではないかと思うのだ。


青ざめた冬のくもりぞら。
うとうとと眺めているあいだに電車は大阪へ。
見慣れぬ町は閑散としたイメージに覆われていて、
大きな青い鞄を抱えた僕はヘッドホンから流れる歌声に無意識に背を押されている。
ほど良くくたくたとした身体は冬の温度に敏感で、
僕は少しだけ 弛緩しながらひとの話を聞いている。

あなたも
だれも
間違っていないよ
間違っているのではない よ

それでも僕は
小さな賭けに
ちょっとした運命を委ねようかと考えている。


冬の夜は洗い髪に冷たい





あなた
         早く

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