ホワイトで滅菌的なBurn/ホロウ・シカエルボク
 


静止したままスライドして滑り落ちてゆく
どんなに滑落してもどこにも叩きつけられない
お終いがなくて恐怖だけが脊髄に浸透してゆく
滅菌的に白い壁の上に放たれた吐瀉物
いつしか激突を夢見るようになる
恋焦がれるみたいに完璧な加速と重力で摩擦に負けない衝撃を
生身の身体なんか絶対にどうにもならないような完璧な激突を
だけど慣れてしまえばそれは次第に減速していくように感じられるのだ


もしも激突して飛散してもそこで終わっていなかったらどうする?
ただの破片になったあとでまだ先が残されていたら?
おれは地図を知らないままの旅人なのに
身体に欠片になってどこかも判らない床に投げ出されたままでいたら?
数値化された眠りの中でおれの手を取ってくれたらいい
そうすればおれはきみの中をどこまでも侵攻していけるのに
ポケットの中の鍵みたいな音が非能率的に鳴り続けている
目は見開かれた、絶対的な寝床の中で


鮮やかな夢をください
眠ったかどうかなんてどうでもいいから



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