イキカタヲ、カエテミマショウカ/御笠川マコト
駅のホーム
立つ場所を昨日と変えて
七月の日差しを避けてみた
イキカタヲ、カエテミマショウカ
そう思った日
身体の中でボタンが押された
大きな力に
選ばれるのを待っている二十代
大きな力に
選ばれなかった事を悟りはじめた五十代
イキカタヲ、カエテミマショウカ
そう思った日
呼吸が楽になった
優しい言葉ばかり並べ立てた流行歌が
ラヂオから聞こえてくる
妥協と納得の端境期を
まどろむように歩きながら
イキカタヲ、カエテミマショウカ
そう思った日
「いつも」が怖くなくなった
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