確信のひと/恋月 ぴの
 
いたずらな風にでも煽られたのか
薄桃色の世界が一瞬目の前にひろがった
 



男のひとは女性の下着に恋するものらしい

くしゃっとした
小さな布切れなのにね

でもそれは男のひとが求めてやまぬ快楽への入り口

お尻のほうからつるり桃の皮でも剥くように
そっと腰を浮かせてあげるのはお約束で

差し出された果実には
例えようの無い甘酸っぱさと

捕らわれてしまっては二度と逃れえぬ巧妙な罠が仕組まれている




でもなんだろうね

見るだけなら罠にはかからないものさとばかりに
入り口の前で立ち止まってさ

あれこれと小さな布切れを品定め
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