春ノ近イ夏ニ通ウ(断片)/吉岡ペペロ
いのちにあらわれる
きけんなものはいろにあらわれる
おとに
かなしくなるとねむたくなるねん
すいがらすてるやつ
そうなりたいそうでありたいそうってなに
ねころんで扇風機にあたっていた
胸がおされたように痛かった
耳鳴りがすぐそばまできていた
それにみをまかせる自棄になっていた
枇杷がアスファルトにころがっていた
てっぺんにしかオレンジはのこっていなかった
肌を湿気が押していた
あいつはおいかけなあかんもんをおいかけんと
万歳三郎万歳
うめちゃんさけつよい
三ツ矢サイダーよわへん
タクシーのうんちゃ
[次のページ]
戻る 編 削 Point(2)