春ノ近イ夏ニ通ウ(断片)/吉岡ペペロ
 
いのちにあらわれる

きけんなものはいろにあらわれる

おとに

かなしくなるとねむたくなるねん

すいがらすてるやつ

そうなりたいそうでありたいそうってなに

ねころんで扇風機にあたっていた

胸がおされたように痛かった

耳鳴りがすぐそばまできていた

それにみをまかせる自棄になっていた

枇杷がアスファルトにころがっていた

てっぺんにしかオレンジはのこっていなかった

肌を湿気が押していた

あいつはおいかけなあかんもんをおいかけんと

万歳三郎万歳

うめちゃんさけつよい

三ツ矢サイダーよわへん

タクシーのうんちゃ
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