赤い靴/メチターチェリ
 

大丈夫倒れたら倒れたでその時だよなんて
糠に釘打ち暖簾に腕押し
携帯のアラームじゃないと目が醒めない
目覚まし時計じゃ駄目だから
結局深夜も着信音は鳴りっぱなしで
そんな非常識な友人や彼女のことを
何ひとつ顧みていない様子にぼくは無性に腹が立つ
と同時に彼女はぼくにさえ信頼を置いていないのが明らかとなり
心配と歯がゆさと憤懣と遣るかたなさと失望と悲観と諦念の輪舞を
ぼくはぐるぐるぐるぐるいつまでも回り続ける
赤い靴の少女
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