かなしみの四季/
草野春心
風が細り
土が痩せる
人の心は落ち葉のように
秋には秋のかなしみ
寄り添いあって焚き火をする
闇が冷え
光がけむる
静かな予感で街は煌めき
冬には冬のかなしみ
ただ突っ立っているだけで
水が歌い
シャツが濡れる
ふくらんだ胸を持てあまし
夏には夏のかなしみ
ひたむきな顔におちた陰
花が咲き
瞬けば消える
何ひとつ残さず去ったあのひと
春には春のかなしみ
あんなにも愛していたのに
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