2つの輪/藤鈴呼
穴が 開いたのは
少し 傷ついた 思春期の心と
ノートブック
其れダケなら 更正できた
問題は 下敷きだった
大好きな あの人の 切り抜きを
透明な 下敷きに入れて
授業なんて そっちのけで
ニヤつく頬を 引き締めながら
楽しんで 居たのに
一番 大事な部分に
穴が 開いたんだ
あの人が アタシを 見つめてくれる
瞳に 穴が
コンタクトレンズはね
酸素透過しないと
瞳が カピカピしちゃうの
だから きっと 良かったのよねって
思い込ませてみても
何だか 哀しくって
涙が 流れた
穴が開くほど見つめた 穴の底で見つけた
幾つもの 眩き存在は 強く光を放ち
傷ついた瞳を 更に 痛めつける
傷のついた角膜を 宥める目薬は
やっぱり まあるいんだ
ぽとっ と ゆれる なみだの かわりに
ぽたっ と ゆれて あたしを いやした
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