なにとなににさよならを告げればいい/ホロウ・シカエルボク
不思議なくらい人通りの途絶えた
日付変更線を待つ中央道路で
鮮やかな羽のカラスたちが
産業廃棄物で空腹を満たしている
表沙汰に出来ない雨みたいな空気
ゆっくりと横切る風が妙になつっこい音を立てる
夏になるんだよ
運命にうなだれる夏
熱にやられすぎて
誰も愉快なフレーズなんか聞かせてくれやしない
冷蔵庫に少し残った
オレンジジュースのことを思う
美味いやつほど
急いで飲まないと駄目になる
ずっと忘れていた音楽が頭の中で鳴り続けている
あちこちの自販機の周りにロンサムって書いてあって
今日がそろそろおしまいだってなんと
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