追憶の唄/洞野いちる
真っ赤に残ったことも、
すべて すべて
あなたとの大切な想い出です
あの日から長い年月が経ち、わたしの体が縮んでしまい
もうすっかり、あなたのTシャツを着れなくなってしまいました
わたしの子どもは「古着は嫌だ」と言いますし、中学二年生の孫は「流行の服がいい」と言います
寂しさが込み上げてきますが、仕方がないことなのかもしれません
もっと早く思い出せばよかった
悔やめど時間の巻き戻しは無理なこと
明日出すビニール袋に入れる前に
袖を通しましょう
大きすぎるけれど
最後にあなたのぬくもりを香りを感じたいから
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