十九歳の夏/長押 新
に
たしかに大人がうまれ
ながくつづいた
こどもをぬぎすてていた
なつのあつさが
そうさせてしまって
つぎつぎと友人たちが
くるしい、
くるしいとおうとしながら
だらだらしたいとひいて
大人にうまれる
こうなればらいねんには
しんじまってるかもしれない
そうしてまた肩をよせあい
やい
やい
やいやい、
やい
やい
やいやい、
よるがあけるころには
もう死体のにおいに
いやけがさして
なつのたいようのぼれと
はいをけむりがみたして
くちのまわりに
おたがいのだえきをつけて
わをつくるように
そうっとあさをまった
だれもがみんな
大人になれとなきはじめる
わたしも
ないた
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