風の招待状/
洞野いちる
白兎が跳ねたら
真っ赤な薔薇の花びらが一面を赤く染める
空っぽのバスケットの中に
ゆっくりとお菓子が満ち始める
さあ、バスケットを持って、行きましょう
あなたの居場所へ行きましょう
耳元を通りすぎる風が話しかけてきた
跳ねていた白兎が後ろ足て立ち上がる
風を追うように白兎が走り出す
お菓子が溢れ出しそうなバスケットを胸に抱き締め
わたしも走り出す
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